大阪医歯学院 公式ブログ

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医学部入試コラム 英語第3回「医学部の長文読解の解法(背景知識)」

 今回は、医学部の長文読解の解法として、背景知識を取り上げたいと思います。

 よく生徒さんから相談を受けるのが、医系のテーマの背景知識を理解しておいたほうが良いかということです。大学にもよりますが、知っているほうが内容への理解がより深まるので、頻出テーマは一通り触れるべきだと思っております。
 例えば糖尿病は北里大学東邦大学などで出題されている頻出テーマです。糖尿病には1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)と、2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)があり、1型糖尿病は若年性糖尿病と呼ばれるもので、主に子供に起こり、インスリンを注射して補給します。一方、2型糖尿病は成人型糖尿病と呼ばれており、主に40歳以上の人に起こり、運動療法や食事療法が基本となります。
 過去の北里大学の下線部の意味を問う問題で、

Type 1 diabetes, previously known as insulin dependent or juvenile-onset diabetes is characterized by loss of the insulin-secreting beta cells.

1) patients usually acquire type 1 diabetes in the late adulthood
2) type 1 diabetes usually starts at a young age
3) patients with type 1 diabetes are born with the disease
4) type 1 diabetes is a lifelong disease

とありましたが、juvenileの意味が分からなくても、2)だということがわかります。

 以上のように、ほかの学部と違い医学部は医系の背景知識があると無いとでは読解の内容把握が大きく変わってくると思うので、日頃から医系の英文に数多く触れ、岩何が話題になっているのか、またどんな単語が使われているのか是非研究してください。

 

 

獣医学部入試コラム 英語第3回 「獣医学部における長文読解の設問別解答(空欄補充)」

 今回は、獣医学部における長文読解の設問別解法として空欄補充を取り上げたいと思います。
 皆さんは空欄補充問題を回答する際、何となく意味から考えていないでしょうか?
空欄補充の手順はまず、

1) 空欄の品詞を予測する
2) イディオム・コロケーションが関係していないか確認
3) 文法・語法が関係していないか確認(特に準動詞、関係詞、接続詞、前置詞などが頻出
4) 文と文とのつながりを考える(具体化、対比、因果関係、並列・追加、言い換え)

 を考えます。この順番は、見た瞬間処理できるものから並べているので、解答の精度、時間短縮にも効果があります。

 2019年の北里大学では、

(               ) their cute appearance, koalas can be ferocious when resisting capture.

1)  Aside  2)  Despite  3)  Even  4)  Instead  5)  Nevertheless

 といった長文中の空欄補充がありましたが、先ほどの手順で解くと空欄に入るのは直後に名詞が来て、その後にSVが続いているので前置詞が入ることがわかります。選択肢を見ると 2) 以外はすべて副詞になるので、見た瞬間 2) が正解だとわかるのです。このような手順に従って解答し、効率よく得点し、合格を目指して頑張ってください。

医学部・獣医学部入試コラム 数学第5回 「検査における正しさの確率」

 現在、新型コロナウイルスが人々の健康と生活に大きな影響を与えています。その中で、PCR検査を素早く、多くの人に実施することを求める声が広がりました。このような検査はどれほど信頼できるのでしょうか?
 2020年度の埼玉医科大学の後期で次のような問題が出されました。

 

 ある集団で5人に1人がかかる病気がある。この集団に属するAさんがその病気に関する検査を受けたところ、陽性の結果が出た。その病気にかかっている人がこの検査で正しく陽性と判定される確率は90%で、かかっていない人が誤って陽性と判定される確率は5%である。Aさんがこの病気にかかっていない確率を求めよ。

 

 これは、条件つき確率(ベイズの定理)の応用問題です。「その病気にかかっている人がこの検査で正しく陽性と判定される確率は90%」というところから、多くの人が答えは10%ではと思ったのではないでしょうか。正しい回答は以下の通りとなります。

 

 集団の中から病気にかかっている人を選ぶという事象をX、検査で陽性と判定される事象をYとします。このとき、P(X\cap Y)=\frac{1}{5}\cdot\frac{90}{100}P(\overline{X}\cap Y)=\frac{4}{5}\cdot\frac{5}{100}となるので、
求める確率は、
P_{Y}(\overline{X})=\frac{P(\overline{X}\cap Y)}{P(Y)}=\frac{4\cdot 5}{1\cdot 90+4\cdot 5}=\frac{2}{11}

 

 百分率で表すと約18%となります。これは検査の精度が高くても、病気にかかっている人の割合が低い場合、陽性の結果で実際は病気にかかっていないという確率が高くなるということです。
 このような問題は医療系の学部では頻出されます。直観だとだまされやすいので、考え方をしっかり押さえておきましょう。

中川先生のお話 第9回「アフターコロナ第3章 コミュニケーション」

 これまで、コミュニケーションはほとんどの仕事で極めて大切なことでした。我々の学会、日本保健医療行動科学会でも患者さんの行動変容が治療において一番の方法だと考えて、様々な技法を提唱してきましたが、ほとんどの技法はコミュニケーションによって伝えられます。心理療法の効果にしても、心理学者ランバートは雑多なRCTをかなり多く集めてメタ解析した結果、心理療法は技法の効果は15%に過ぎず、患者とのコミュニケーションの良し悪しが効果を決めているという結果を出しています。論文が出た当初はかなり物議を醸したのですが、今ではどんな心理療法も良好な人間関係を抜きにしては効果が薄いというのは常識です。

 さて、この良好な人間関係の形成には何をおいてもコミュニケーションが重要なのですが、アフターコロナの時代、三密を避けるなど対人接触が厳しく制限され、これまでの対人援助のコミュニケーション技法が役に立ちづらくなっています。Webでの会話だと慣れていないせいか、どうもぎこちないものになりやすく会話が途切れ途切れになりやすいようです。現実の対面会話にしてもマスクを深くかけられていると、お互い表情が読みづらく、いつもと勝手が違うようです。

 アフターコロナの時代、おそらくWeb会話やマスク越し会話は、これから続くというより、こちらが主体になってくるものと思われます。とすれば、昔を懐かしんでばかりいても仕方ありません。積極的にアフターコロナのコミュニケーション技術を考える必要があります。まず第一にオーバーアクションのほうが伝わりやすいものです。手振りや表情を大きく動かすことで伝わりやすくなります。マスクだと表情が読みにくいので、余計に大げさなくらい表情を動かすことが大事です。日本人は控えめな人が多いので苦手なことかもしれません。分厚いマスクの下でボソボソしゃべるのは、ほぼ伝わらないと考えねばなりません。僕は講演の時など、よく身振り手振りが多いのですが、最近ではWeb講演の時もなるべく身振り手振りをうまく使うことを心がけています。後は声ですが、ゆっくり大きめの声でしゃべることが大事です。マスクの下で小声で早口だと、かなり理解が難しくなります。

 以上、とりあえず思いつくことから羅列しましたが、アフターコロナのコミュニケーションに役に立てばうれしい限りです。

                         顧問医師  中川 晶

医学部・獣医学部入試コラム 生物第5回「ギンリョウソウと昨年度の問題から」

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 この季節にヒルに襲われるのを覚悟で山に入ると頻繁に見られるのが、ギンリョウソウ。こう見えても種子植物です。葉緑体はないけどね。周囲の樹木と外生菌根を形成する菌類から栄養を得ています。腐生植物の例として入試に出てくることがあるのだけど、動植物の遺体に帰省するなんて間違った表現で出題されたりもする。でも、きれいでしょ?

 

 次は昨年度の入試問題から。問題がそろってきて、眺めていたのですが、兵庫医科大の生物問5にA型の人が抗A抗体を持たず、B型の人が抗B抗体を持たない理由を免疫寛容によって80字で説明せよという出題がありました。

 A型の人はA抗原を、B型の人はB抗原を赤血球の表面に持っているので、自身の成分に対する免疫反応を引き起こすリンパ球は禁止クローンとして排除されるというクローン選択説で説明するのが思いつきやすいかな?

 大森徹の最強講義には書いてあったので、大森派の人たちはラッキーだったかも。あんまりそれ以外の図表や教科書では扱っていなかったので、初見の受験生もある程度いたんじゃないかな?まあ、考えれば何とかなりそうだけどね。

 

理事長の話 第9回「少し行き詰った時に思い返してほしいこと」

 新型コロナの第2波の不安もやや出てきましたが、入試がなくなるわけでもありませんし、学力はつけていかなければなりません。この時期、これだけやっているのに点数が取れなくて、自信を無くしていく人が少なからず出てきます。このような状況が生まれる2つの理由を話していこうと思います。

 一つは、学習法のどこかに抜け落ちているところがあるのではないでしょうか。まず、知識の定着を進めていくことにおいて、下記の4つのルーティーンを繰り返していくことが一般的であると考えています。

 

①授業をよく聞いてノートをしっかり見る

②わからないところがあれば、分かるまで質問をする

③わからなかった問題を時間内に自分でできるようにする

④テスト等で間違ったら、もう一度質問等で確認してから、自分で完璧にできるように練習する

 

  しかし、これらを十全に行えていないことが多いように感じています。質問の際に、講師の説明にうなずくだけで分かったような気になってしまい、やり直しを行わないことや、時間内に何も見ずに解答する練習が足りていないこと、テストの点数ばかり気になって確実にできるまでやりこまないことなど、どこか不十分ではないでしょうか。

 もう一つは、そのようにしていても、復習法や実力が身につくには少し時間がかかります。英語などはより時間がかかるでしょう。毎日理想的な学習をしていたとしても、英文が見えてくるようになるまで3か月かかると聞きます。今は苦しいかもしれませんが、できるようになった自分を楽しみにして、日々邁進して下さい。見えてくるようになってくると、どんどん定着するスピードが上がっていきます。希望をもって、一歩一歩進んでいくことで受験にもコロナにも打ち勝っていきましょう。

                    大阪医歯学院 理事長 北原裕司

中川先生のお話 第8回「アフターコロナ時代第2章 コロナ恐怖」

 世界的には多くの死者を出し、今も完全収束とは言えない時代。しかしこれまでのところ、日本は海外に比べると被害は少なかったということになります。なぜ日本は少なかったのかの科学的な説明は充分出来てないので、清潔習慣を徹底させようという方針しかないのかもしれませんが、過ぎたるは何とやらの弊害が出てきています。

 確かに三密を避ける、うがい・手洗いをするのを心がけるのはよいのですが、清潔習慣も度を超すと、すぐに強迫神経症の域に達します。

 当院でも、アルコール消毒・手洗い過剰でひどく手が荒れている人、電車でつり革に触れず転倒した人、果ては家から一歩も出れなくなった人までおられました。マスコミも同じ内容を一日中流し続け、国は三密を避けるという方向で他人と隔離する、これらの状況はほとんど洗脳つまりマインドコントロールの構造になってます。一歩外に出ると新型コロナウイルスだらけという妄想に近い観念が進行していて、家の中だけがシェルター、できれば病院の手術室のような無菌室で暮らしたいという人まで現れています。人気歌手だったマイケル・ジャクソン強迫症状が強くなると、実際に家に無菌室を作らせてそこから出れなくなった時期もあったといわれています。

 当院にもコロナ強迫が強まった人が多いのですが、そのたびに次のような話をしています。

 「あなたが潜水艦を作るところを想像してみてください。その潜水艦にはあなたが乗ることとなるので、よく考えてください。さて、この潜水艦は平均水深50メートルを航行する艦です。あなたに考えてほしいのは、この間がどれくらいの水圧まで耐えられる艦にしたいですか?100メートル、200メートル?まだまだ不安ですか?ただ高い水圧に耐えられるように作るには船体の壁を分厚くしなくてはなりません。すると、水中での動きは遅くなります。でもペチャンコになったら元も子もありませんから、考えどころです。」

 こんな質問をすると、患者さんによっては、500メートルもあれば十分から、いやいや1000メートルは必要、それでも無理、1万メートル、5万メートルまで耐えてもらわねばと、いろんな答えに出会いました。でもね、水深5万メートルって存在しないんです。最高はマリアナ海溝で1万1千メートルほど、それに1万メートル潜る潜水艇はバチスカーフと言いますが、ほとんど鉄の塊で乗員数はわずか2名、動きもとても鈍く、こんな潜水艇で平均水深50メートルを航行するのはあまりに馬鹿げています。マリアナ海溝に近いところを航行するならともかく、海底二三百メートルしかないところでバチスカーフに乗りたい人ってどうなんでしょう?

 この状況と現在のコロナ恐怖・コロナ強迫、似ていませんか?適度というのが分からないという人には、大方の他の人の行動をマネしていたら大きく間違えませんよ、とアドバイスしています。